2007年にアニメ映画として公開され、2025年10月には実写映画も上映された新海誠監督の人気作品『秒速5センチメートル』。繊細な登場人物の心理描写と圧倒的な風景美が魅力の『秒速5センチメートル』ですが、一部の視聴者からは気持ち悪いとの声も上がっているようです。
ではなぜ『秒速5センチメートル』は気持ち悪いといわれているのでしょうか、その理由について紹介します。
『秒速5センチメートル』が気持ち悪いといわれる理由は?
新海誠監督の代表作との呼び名が高い『秒速5センチメートル』ですが、実際に視聴した方からの口コミで、たびたび気持ち悪いと言った感想が挙げられているのを目にします。『秒速5センチメートル』はとても評価が高い作品として認知されている一方で、そういった「気持ち悪い」といった真逆の声が一定数ある理由が気になりますよね。
その理由について調べてみると、主に4つの理由が原因となっていることが判明しました。ここからはそんな4つの理由について、深掘りして紹介していきます。
①視聴後の後味があまりよくない
『秒速5センチメートル』が気持ち悪いといわれている最もの理由として、視聴後に爽快感や感動などのポジティブな感情にはなれず、どちらかといえば後味があまり良くない風に感じてしまう方が多いという点が挙げられます。
『秒速5センチメートル』は主人公の貴樹と灯里の反省を描いた作品ではありますが、恋愛作品というよりもどちらかといえばヒューマンドラマのテイストが強い作品です。故に良くありがちなご都合主義な展開などは一切なく、淡々とリアルで正反対な二人の人生が描かれていることになります。特に最後の踏切のシーンで再会を期待していた視聴者も多かったようで、最後まで二人が再会することなく幕を閉じた展開に納得がいかないと感じた方が多かったようです。
ただ、これは『秒速5センチメートル』の魅力でもあり、捉え方によっては非常に前向きなラストだったと感じる方もいます。ですので人それぞれの価値観によって感じ方が異なるともいえるでしょう。
②貴樹が灯里を引きずりすぎている
主人公の貴樹は小学生の頃に灯里と東京で過ごした思い出をいつまでも大切に胸の内に持ち続けて、そして人との適切な距離感が分からずにコミュニケーション能力が乏しい大人になってしまいました。実際に貴樹は中学生の頃に鹿児島に転校した後も、東京で社会人として働いている時でも、常に無意識のうちに灯里の影をどこかに探しながら生活を送っています。
こうしたいつまでも初恋の相手を忘れることができず、引きずり続けている描写がかなりリアルに描かれている点も、『秒速5センチメートル』が気持ち悪いといわれている点として挙げられるのではないでしょうか。ただ、面白いことにこうした貴樹の心境に共感する男性の視聴者はかなり多いとのこと。ですので男女の恋愛観の違いの現れともいえるのではないでしょうか。
③灯里との温度差
2つ目の理由として貴樹が初恋の相手である灯里の存在をいつまでも引きずってしまっているという点を紹介しましたが、一方でその灯里は貴樹との思い出を自身の人生の良き思い出として大切に保管しており、貴樹との思い出はあくまで過去の思い出として前向きに人生を歩んでいます。
実際に物語終盤で灯里は既に別の男性と結婚していたことが明らかになっていました。貴樹が灯里のことを忘れられずに苦しんでいる傍らで、灯里は新たな人と結ばれています。
視聴者の多くが大人になって再会、そして結ばれてほしいと思って見ていただけに、この貴樹と灯里の温度差に違和感や嫌悪感を抱いてしまった方も多いようです。
④全体的に雰囲気がくらい
『秒速5センチメートル』はfuji3game.comで紹介しているゲームのようなその映像美とは裏腹に、貴樹の淡々とした語り口調で物語が進んでいきます。貴樹の振り返る思い出の殆どは決してポジティブな雰囲気のあるものではなく、あくまでどうしようもなく抗えなかった人生を受け入れるような、どこか切なくて苦しくなるようなものばかりです。
過去への後悔や時折感じさせる貴樹の胸に潜む闇の一面など、そういった人間が持つ行き場のない感情を的確に表現した作品なだけに全体的に作風は重く、暗くなっています。こうした重苦しい作風が苦手な人にとっては、『秒速5センチメートル』は気持ち悪い作品になってしまうのかもしれませんね。
実写とアニメの違いはある?
高い評価を集めていた『秒速5センチメートル』のアニメの実写映画が2025年10月に公開され、ダブル主演として松村北斗さんと高畑充希さんが務めました。そんな実写映画とアニメ版とでは違いはあるのか気になりますよね。
結論から述べると内容や過程はかなり異なる点は多いものの、ラストシーンを含む大筋に違いはありません。ですので原作のファンも新規のファンにも、両方の層にとって楽しめる作品なのではないかなと思います。
実写の『秒速5センチメートル』について
実写『秒速5センチメートル』とアニメ版の大きな違いですが、主に大人になってからの二人の様子が細かく描かれている点です。アニメ版以上に大人になってからの二人の人間関係や職場などが細かく描かれており、よりリアルに互いが過去の思い出に対してどのように向き合い、そして今を生きているのかが事細かに表現されているといえるでしょう。
また実写版オリジナル設定で共通の知人が数多く存在し、たびたび再会を匂わせる展開が訪れるも最後まで再会できない部分など、実写版で新た加えられた設定もアニメ版の良さを損なわず、より物語に深みを与えるものとなっています。
まとめ
今回の記事では『秒速5センチメートル』が気持ち悪いといわれる理由について、4つの理由をピックアップして紹介しており、またアニメ版と実写版の違いについても紹介しました。SNSでは「鬱アニメ」といわれるほど多くの人を喪失感に包み込んだ『秒速5センチメートル』。そんな『秒速5センチメートル』は見る人の心境や価値観によって、ラストの評価が大きく分かれる作品になっているともいえるのかもしれませんね。










